最近何かとHOTな三味線ですが、この楽器は何の皮が使われているか知っていますか?
今回は、実際に三味線を弾いている僕が、この疑問にお答えしたいと思います!
それでは、どうぞ。
本記事の内容
・三味線に使われる皮は、3種類あります
・三味線に使われる皮その① : 犬皮
・三味線に使われる皮その② : 猫皮
・三味線に使われる皮その③ : 合成皮
・三味線の皮の聴き比べ
三味線に使われる皮は、3種類あります
3種類の皮とは、
犬皮・猫皮・合成皮
この3種類です。
三味線の種類によって使う皮が異なり、音色にも違いがあります。
記事の最後に、3種類の皮の聴き比べの動画を貼りましたので、ぜひ聴いてみてください。
皮ごとの違いがはっきりと分かるかと思います。
犬皮から順番に解説していきます。
三味線に使われる皮その① : 犬皮
犬皮と書いて、けんぴと呼びます。
その名の通り、犬の皮です。
現在では、全ての三味線に使われており、最もメジャーな天然皮です。
僕が弾いている津軽三味線も、犬皮です。
津軽三味線に関しては、四つ皮(後で解説します)は使われることはまずありません。
犬皮は他2種類の皮と比べ、音に迫力がでる印象です。
ちなみに、犬皮と四つ皮はほぼ輸入品です。
皮に限らず、三味線の9割を占める木、ギターで言うピックにあたる撥(ばち)の材料もほとんど海外から仕入れているんです。
三味線は和楽器だけど、材料は多国籍なんです笑
三味線に使われる皮その② : 猫皮
四つ皮とも言います。
猫皮は、細棹三味線(長唄・小唄・端唄)と中棹三味線である地唄に使われています。
しかし、普段猫皮を使う三味線でも、練習のときは犬皮や合成皮を使う場合が多いそうです。
3種類の皮のなかでは、一番希少で、今後流通がどうなるか心配ではあります。
猫皮は犬皮より薄く、音がより高音になります。
三味線のなかでも、比較的高音域である細棹と相性がいいですね。
三味線に使われる皮その③ : 合成皮
近年でてきたものが合成皮です。
犬皮、猫皮に比べ、合成皮は丈夫で劣化のスピードがかなり抑えられます。
犬・猫皮は天然素材なので、劣化の速さは避けられないのです。
合成皮の中でも、最近ではリプルと呼ばれる合成皮が話題で、これがかなり使えるらしい・・・。
僕は使った事がないので分からないのですが、犬皮と同じような音で、破れる心配をあまりしなくていいならぜひ使いたい!
今張ってある犬皮が破れたら、リプルにしようかな~と考えております。
犬皮、猫皮に変わる新しい素材だと期待されているのですが、やっぱり音色は天然皮のほうがいいという意見も多くあります。
動物愛護にも関わってくるデリケートな問題でもあるので、何とも言えないのですが汗
三味線の皮の聴き比べ
犬皮、猫皮、合成皮と紹介してきました。
今回はそれぞれの特徴を知ったうえで、実際に音色を聴き比べてみましょう。
※三味線専門店である三萃園さんが公開している動画を拝借いたしました。
犬皮と猫皮の音色
はじめに、犬皮と猫皮の音色です。
犬皮と合成皮の音色
続いて、合成皮と犬皮の音色です。
いかがでしたでしょうか。
皮によって、音と音から受ける印象がかなり変わるので面白いですよね。
まとめ
今回は三味線に使われる3種類の皮と、その音色をご紹介しました。
みなさんの気に入る音色はありましたでしょうか。
三味線を含む和楽器の市場は年々縮小傾向です。
一人でも多くの方に三味線の魅力を知ってもらうべく、今後も記事を執筆していきたいと思います。
ここまで見てくださりありがとうございました。
今回は以上です。